海外ドラマ
TVドラマ史上最高傑作と言われる『水物』で幕を閉じた『ハンニバル第2シーズン』を振り返るという難題に、取り組む気持ちがついた今日この頃。第1シーズンで、これは異形のアウトサイダーたちが愛を求めるロマンスという結論に達したのですが、よりウィルと…
TV史上ベストエピソードの上位に常にランクインし続ける『水物』。マニアックなドラマなので放送時点で視聴率は稼げなかった。けれども、残酷で美しく、人間がもつ宿業を描き切る悲劇性、濃い~芝居、テンションの高さと、どこを取っても申し分ない!コアな…
「ハンニバルを捕まえてやる、殺してやる」なんて言いながら、いつも結局実行できないウィルを観察し続けた第2シーズンも残すところあと2話。今回もいろいろ妄想してるようですが。どうしてこう、ウダウダしちゃうのか、ウィル・グレアム?ってとこを、考察…
前エピソードでは共に人肉を料理し、味わい、絆を深めたハンニバルとウィル。どう見ても、潜入捜査のためというにはやりすぎのウィル。彼はハンニバルを罰したいのか?逮捕したいのか?それとも一緒に生きたいのか?2人の関係がさらに危うくなる、そして深淵…
ハンニバルを恨み殺意を感じているのか、ハンニバルの愛を求めているのか混とんとしているウィル。愛弟子のランドール・ティア―をウィル変成のための供物としたハンニバル。殺したランドールの死体をハンニバルへの贈り物のように持ってくるウィル。2人の不…
進化した人は、より神性に近づくのか?獣性を解放するのか?進化論者であり、常に自分を神と比肩するハンニバルはどちらを選ぶのか?その読み解きが面白すぎ、それに絡んで深まるハンニバルとウィルの関係が濃密になな"獣人編"、考察してみました。
ハンニバルとのセラピーを再開したウィル・グレアム。それはハンニバルがチェサピークの切り裂き魔だと証明する囮捜査になるのか?それともウィルの混乱をさらに深めるものになるのか?佳境を迎える第2シーズン後半第8話を、読み込んでみました。
誘拐され自分で自分を食べるよう強制されたエイブル・ギデオン、誘拐にまつわる殺人で無罪放免となるウィル、生きて見つかったミリアム・ラス、ハンニバルの巨大なデザインの中で、彼らはどうなっていくのか?読んでみました。
満開の桜の花の樹にくくりつけられ、内臓に花々を活けられた男の死体。シリーズ中でも屈指のゴージャスな殺人作品が登場するこのエピソード。この死体の意味を考えつつ、読み込んでみました。
タテに薄切りにされ、アクリル板に入れてアートのように展示された惨殺死体。アタシ的には、TV史上一番ショッキングな死体に吐きそうになった今回のエピソード。こんなことができてしまうハンニバルって、いったい何者っていう見解もさぐりつつ深読みしてみ…
あまり明るい話題がないコロナ禍・コロナ不況のこの頃、生きているのが痛い、苦しいと思うこと多々あるのですが、生きている以上はその痛みを逃れることはできません。究極の逃げ道は死ぬことしかないのですが、果たして死は苦しみに対する癒しになるのか? …
ハンニバルの手で殺人犯に仕立て上げられたウィル・グレアムの裁判が始まる。5件の殺人と山のような証拠品。救いたいハンニバル、ジャック、アラナ。有罪にしたいプラーネル、フレディ、チルトン。彼らはどう証言し、どう行動するのか?そしてウィルは?
前話の、死体を縫い合わせて瞳のような絵図を創る殺人鬼を巡る捜査の続きとなる本編。モーリス・ベジャールがベートヴェンの交響曲第9番に振り付けた名作上演のドキュメンタリー『ダンシング・ベートーヴェン』冒頭に出てくるカタリ派の教義「世界には善と悪…
ときどき、無性にベン・ウィショー作品が見たくなる。何でだろう?心に染み入るような声だから。脆さとか儚さとか、普段の生活の中では抑圧しとくしかない心の揺らぎに、喰い込むような瞬間があるから...。 てなわけで、2017年の英国BBCドラマ『 The Man on …
第1シーズンのテーマは"誘惑”だと、製作者ののブライアン・フラーは言ってます。人生には無償で手に入るものなどないのに、総てをウィルに与えるように見えたハンニバル。誘惑者を信じきって、ハンニバルがチェサピークの切り裂き魔だという事実を無視し続け…
ドキュメンタリーというジャンルが、どうもアタシは信用できません。嘘をデッチ挙げているとまでは言いません。でも、選択した事実を集めて作っているのは確かで、マクロに見たリアリティの一部を隠して、視聴者に一定の先入観を植え付けるものではあります…
犯罪捜査物ドラマ的にスタートしたTV版『ハンニバル』。ところが、回を追うごとに猟奇殺人のアートっぷりがアップしていき、「こんな犯罪あるわけない!」なシュールで不条理な手口になっていき~~。代わって連続殺人鬼の病理が妙にリアルに描かれ、それが…
○○コンクールとか○○コンテストとか、インチキ臭いと思っているアタシ。昔は、本当に才能ある無名の若者発掘の場だったのかもしれない。でも、今の世の中はすべてビジネスなので、ビジネス上の思惑やら参加団体間の力関係で優勝者が決まることが多く、次席く…
『ハンニバル』各シリーズの最終回、やるせない思いに囚われて「どうしていいか分からなくなってしまった」というファンの方が多いです。普通だと、シリーズ最終話ってクリフハンガーに重点が置かれてるので、次のシーズンが待ちきれないって感じるだけなん…
ボルティモアの上流社会の寵児であり、高名な精神科医として活躍するハンニバルが、ある時は犯罪捜査のカギとして、ある時は防衛手段で、点のように散乱させてきた数々のコピーキャット殺人。その点が線でつながれた時、ハンニバルがくだした苦渋の決断とは…
ハンニバルの差し金で脳炎を患っていることを隠され狂気へと追い立てられているウィル・グレアム。ボルティモア精神障害犯罪者病院長フレデリック・チルトンの心理操作でチェサピークの切り裂き魔だと思わせられ、殺人へと駆り立てられてきたエイブル・ギデ…
人里離れ、古びた一軒家に住む少女。街灯のない深い闇の中から家路について、床に入ると寝天井からポタポタと雨漏りが… 何事かと薄暗い屋根裏を覗いて、雪が吹き込む穴をふさいで寝室に戻ると何者かの気配が… そしていきなりベッド下に引き込まれ、血しぶき…
さまざまな腐敗状態のいくつものバラバラ死体を組み合わせ、頂点に男の生首を置いたトーテムポール。いつものエレガントな美しさはないけれど、ショッキングなヴィジュアル。祖霊信仰や部族神話にまつわる象徴物の彫刻っていわれているトーテムポールをシリ…
喉もとを大きく切開された人体のチェロ、声帯で造られた弦。『ハンニバル』TVシリーズの中でも、最強にグロ美しい死体に入る今回の殺人。だってねえ、これは殺人鬼から殺人鬼へのセレナーデ、ラヴレターなんだから。シーズン1が妖しく官能的に輝く第8話、読…
製作者のブライアン・フラーが、撮影開始前は犯罪捜査物的な台本を6話分ほど用意していたけれども、第1話収録後マッツ・ミケルセンとヒュー・ダンシーの芝居に感銘を受けて撮影を2週間中断、2人に合わせて全部書き換えたと言ってました。 ちゅうことは、『ハ…
話の核が周囲の登場人物の心の機微からハンニバル自身ににシフトして、チェサピークの切り裂き魔の奈落に触れるこのエピソード。マッツ・ミケルセンのファンだから、ドラマを見始めたビルコンティ。ハンニバルが背景になっていたエピソードを耐え忍んでたど…
ジョニー・デップ主演の『パイレーツ・オブ・カリビアン』といえば、いわずとしれたディズニーの看板アクションアドヴェンチャー。シリーズ5作を数え、スピンオフも計画されている大人気作品。 バレエにも大ヒットの『海賊』があるので、その原点となる作品…
悪夢と夢遊病、天使に見立てられた死体や透視能力が登場するグロ美しい第5話。犯罪捜査シリーズのふりをして始まり、サイコスリラーに変化し続けた『ハンニバル』シリーズですが、ついに、 サイコホラーに! 幼虫がさなぎになり、孵化するように変化し続ける…
ウィル・グレアムが野良犬を拾い集めるように、孤独な人間は、どんなに否定しても家族を求めている。なぜ彼らは孤独なのか?孤立した人間が無理矢理疑似家族をつくろうとしたら、どんな悲劇が起こるのか?痛みが伝わるエピソードを深読みしてみました。
groomingという言葉があります。"子供や若者と信頼関係、エモーショナルなコネクションを築いて、心理を操って自分の利益や欲望にそうように育て上げる"というような意味。アビゲール・ホッブスと殺人者の父親の関係は、ある種このgroomingに見える。そんな…