エンタメ 千一夜物語

もの好きビルコンティが大好きな海外ドラマやバレエ、マンガ・アニメとエンタメもろもろ、ゴシップ話も交えて一人語り・・・

エミー賞 『ゲーム・オブ・スローンズ』とベン・ウィショーと『英国スキャンダル〜セックスと陰謀のソープ事件』

エミー賞史上最多の32ノミネートを獲得した『ゲーム・オブ・スローンズ』最終章。12件の最優秀賞を受賞しましたが、プライムタイム部門では2つの最優秀受賞に留まり、残り10はキャスティング、コスチューム、プロダクションデザイン、作曲、撮影、ヴィジュ…

ベン・ウィショーと『パフューム ある人殺しの物語』という奇跡の映画

トム・ティクヴァ監督の2006年作品『パフューム ある人殺しの物語』は、至高の香水を生み出すために殺人を犯し続ける調香師を描く。醜悪で残酷で、とてつもなく美しい映画。アタシ的には当代随一の役者、ベン・ウィショーと出会った記念すべき作品でもあり・…

ベン・ウィショーの『ジュリアス・シーザー』 見事なまでに情けないブルータスの絶妙

実物は、か細くて繊細で存在感もウスいのに、やや情けないキャラづくりに異様な説得力があるので作品のナラティヴを変えてしまい、圧倒的に新鮮な解釈をみせつけてくれるベン・ウィショー。 一部では当代随一といわれる役者のベン・ウィショーが、シェイクス…

シオン・グレイジョイ役アルフィー・アレン エミー賞ノミネーションが何故凄いのか?

『ゲーム・オブ・スローンズ』の第2シーズン以降、彼こそエミー賞に相応しいとファンコミュでは騒がれてきたシオン・グレイジョイ役アルフィー・アレンが、とうとうエミー賞ノミネート!がなのに、7月にノミネが発表されて1月以上!ほぼ何の情報も出てこ…

ゲームオブスローンスのヴァリス圧勝 ヴァージニア・ウルフなんかこわくない

『ゲーム・オブ・スローンス』のヴァリス役コンレス・ヒルが『ヴェラ・ドレイク』のイメルダ・ストウントンと一緒に主演を務める芝居『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』を見てきました。 3時間の上演時間中ずっと笑い転げてました。それも、悪趣味で…

ルトガー・ハウアー追悼 「ブレードランナー」を振り返る

7月19日にルトガー・ハウアーが亡くなった。今年は2019年。当たり役だった「ブレードランナー」のレプリカント、ロイ・バッティの享年と奇しくも同じことになった。「ブレードランナー2049」を頭から否定していたルトガー・ハウアー。彼にとって、また、多…

映画『ボヘミアン・ラプソディ』の微妙にイヤな後味を掘ってみた

昨年末から、爆発的な興行収入をあげげている映画『ボヘミアン・ラプソディ』。 ラミ・マレックのアカデミー主演男優賞受賞の記事を書きながら、映画本体については何も書いていないことに気づいたアタシ。ハッキリ言って、後味悪い、好きになれない映画だっ…

シオン・グレイジョイ/リークに捧げる In The Woods Somewhere by ホージア

今週のお題「わたしの好きな歌」 もの悲しげなのに不気味なギターのフレージングに戦いのドラムのように威嚇的なパーカッション。そこに震えるようなホージアのヴォーカルが被り、深い闇を感じさせる"In The Woods Somewhere"。聴いた途端に魅せられました…

ラムジー・ボルトン 超悪党の魅力

「スターウォーズ」にはダース・ヴェイダー、バットマンにはジョーカー、「ハリー・ポッター」にはヴォルデモートと、不条理で圧倒的な悪漢がいてこそエンタメ度が増すアクション・アドヴェンチャーの世界。 複雑でリアルな人物像を扱うゲーム・オブ・スロー…

シオン・グレイジョイとラムジー・ボルトンの病みきった関係性 彼はリークから立ち直れたのか(2)

ラムジー・ボルトン(スノウ)とシオン・グレイジョイの不可解な結びつきを深読み、分析しまくるの続編です。 今回は、性的サディズムとか戦時捕虜の虐待とかストックホルム・シンドロームとか、本当に耳障りのよくない話題も入ってますので、嫌なかたは読ま…

シオン・グレイジョイはラムジーの"リーク"から立ち直れたのか?(1)二人の相似性考察

実は、アタシが一番興味を惹かれるストーリー・ラインはラムジー・ボルトンとシオン・グレイジョイの不可解な結びつきです。最終シーズンの熱狂も過ぎ去ったようなので、そろそろこれを語ってもいいかも・・・。 サイコパスの心理とか、代償行為とか、耳障り…

ゲーム・オブ・スローンズのスゴさと最終章最大の欠陥、"夜の王"の機能不全

8年間貯めてきた積立ファンドが半額になってしまったような、どうにもスッキリしないゲーム・オブ・スローンズの終りっぷり。デナーリスやジョン、ティリオンのキャラ展開に無理があったし~~~、地力のある役者順に死んじゃったから、最後はティリオンの語…

サンサ・スターク 凍てついた女王の戴冠 ゲーム・オブ・スローンズと最終話を振り返る

ゲーム・オブ・スローンズ最終シーズンの最終話、欲しがっていたものを手に入れたのは誰かと考えると、"北の女王"となって冠を頂いたサンサ・スタークが一番に浮かびます。サーセイと同じように女王になることが少女時代からの夢だったサンサ。 それでは、サ…

デナーリス/ジョン・スノウ 約された者たちの情念の悲劇 ゲーム・オブ・スローンズ最終話8.6読み直し

ゲーム・オブ・スローンズ最終章・最終話に飲み込まれることができず、ボヤキで終わってしまったビルコンティ。なぜそうなってしまったのかを反省しつつ、物語を支えてきた"約された"ヒロインとヒーロー、デナーリス・ターガリエンとジョン・スノウの物語…

タイレル家潰しは、七王国の復興を考えると間違ってるのだ!ゲーム・オブ・スローンズを振り返る

最終シーズン最終話のエンディング近く、ティリオンの下に集まったブロン、ダヴォス、ブライエニー、サムといった小評議会のメンツを見て七王国の黄金時代に向けた復興の兆しを感じられなかった私目。 なんでかな?そうだ、タイレル家がいないと・・・。 何…