エンタメ 千一夜物語

もの好きビルコンティが大好きな海外ドラマやバレエ、マンガ・アニメとエンタメもろもろ、ゴシップ話も交えて一人語り・・・

サンサ・スタークとシオン・グレイジョイ、それは恋なのか?ゲーム・オブ・スローンズ 最終章se8-ep2ネタバレ先読み

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"夜の王"の襲来前夜、戦士のつかの間に休息のように平穏な時間。旧交を温め、再会に思いを深める人々がウィンターフェルにはいた。

その中でも、ビルコンティが一番心を揺さぶられたのは、サンサ・スタークとシオン・グレイジョイの再会。ファンダムでは、二人をカップルとしてshipするTheonsaチームが異常に盛り上がっている。

というわけで、今回は、この二人を中心に深読みしてみたいかと・・・

 ※shipとはファンフィクションの用語で、特定のキャラをペアにして、ロマチックな、または親密な関係性を創作して表現したり、それをサポートしたりすること。

 

 

サンサ・スタークとシオン・グレイジョイは運命の恋人なのか?

サンサの冷血仮面が剥がれ落ちた時

今や政略に長けた冷血宰相として、感情を表にだすことがないサンサ・スターク。

シオン・グレイジョイの姿を見たとき、その仮面が剥がれて、涙にくれる傷ついた少女が見えた。

 

サンサは自分の兄弟妹と再会した時も、これほど手放しで泣いたりしなかった。

ジョン・スノウとの再会には、成長した異父兄を見る驚きと同時に、命綱にすがるような思いが感じられたが・・・

 

弟のブラン、妹のアリアとの再会で手放しの喜びに続いたのは、あまりにも変わってしまった二人への疑問だった。

"三つ目の鴉"になったブランはサンサの情愛に応えはしないし、アリアはシニカルな殺人者になっていた。

 

"夜の守人″の総司令官として最大の守護者に見えたジョン・スノウは、今や"北の王"であるにもかかわらずデナリス・ターガリエンの恋人として、"北"独立の不安定材料となってしまった。

 

かけがえのない兄弟妹が、"夜の王"との"大いなる戦い"と七王国の"玉座争奪戦"の駆け引きの中で、重要なプレイヤーとして予断を許さない存在になっている。

 

 

I want to fight for Winterfell, Lady Sansa, if you'll have me.

レディ・サンサ、もし私を受け入れてくださるなら、ウィンターフェルのために戦いたい。

 

シオンの言葉には、政治的な意図も裏もない。

かつて裏切ったスターク家を守って死にたいというシオンの気持ちは

ラムジー・ボルトンの虜リークとして痛む身体を抱え、恐怖とトラウマに震えながら、命懸けでサンサを救った時に、すでに伝わっている。

 

シオンは、サンサにとって家族以上の家族、無条件で信頼できる相手だろう。

別れた時はリーク状態だった彼の安否に、サンサは心を痛めていたに違いない。

 

その無事を目にし、リークがシオンとして立ち直っているのを見た安堵は限りない。

そんな涙に見える。

 

サンサの根深い男性嫌悪

良好な協力関係を築こうと話しかけてきたデナリスに、

ジョンのことを指して

「男たちは女のために愚かなことをする」と、冷たく突き放したサンサ。

 

この言葉は、「男は欲望に駆られて理不尽なことをする」とも受け取れるだろう。

 

マザコンのサディスト王子ジョフリーの許婚として少女時代は虐待を受け

ラニスター一家を憎む暴徒にレイプされそうになり

愛を告げながら奸計を企むリトルフィンガーの手でボルトン家に嫁として売られ

サイコなサディストの夫ラムジーから、暴力を受けレイプされ

 

ギラギラした男たちの欲望に苦しめられてきたサンサは、根深く男性を嫌悪しているように見える。

 

やさしかった元夫のティリオンとも距離を置き、王都で守り続けてくれたハウンドとは顔も合わせていない。

 

去勢者であるシオンには、男性ホルモンのギラつきがない。

その眼差しには、慈しみと悲しみが溢れるばかり。

  

今のサンサが心を許せる男は、シオン以外にありえない。

 

  

生き延びた被害者同士の共感 

 サンサが強い女の仮面を脱いで本当に心を許すには、

ラムジーに傷つけられた心と身体の痛みを理解してもらう必要があるだろう。

 

"武闘派"男性ホルモン満開な異父兄のジョンに、すべてを語ることはできない。

女性としての弱さを克服しきったアリアに理解してもらえるとも思えない。

ブランはなにもかも知りすぎて、人間的な感情とは程遠くなっている。

 

政略の師匠であり自分に恋するリトルフィンガーには事情を告白しかけたが、

その無理解にサンサは途中で話を切り上げてしまった。

 

理解者もなく社会と立ち向かわなければならない被害者のサンサは

強靭な甲冑で心を鎧い、二度と傷つかないように

常に戦闘準備を整えていなければならない。

 

共にラムジーの虐待に耐え、救い救われ、共に生き延びたシオンは

サンサの痛み、悲しみをを語らなくても分かってくれる。

 

だから、シオンの前では

同じ傷を持つ者同士の親密な空間では"ウィンターフェルの女主人"ではなく

傷ついた少女のサンサでいられる。

 

 

エピソードの後半近く

ブライエニーの従者ポドリックが歌う"Jenny of Oldstones"に載せて

アップになるカップルたち、ブライエニーとジェイミー、サムとギリー、アリアとジェンドリー、ミサンディとグレイワーム、デナリスとジョンの中にサンサとシオンも登場する。

切なげな微笑みを浮かべるサンサ。

 

サンサとシオンをロマンチックなカップルに加えようという制作側の意図が見え隠れする。

 

 

 

では、サンサにシオンに対する思慕があったとして 

シオンは思いに応えられるのか?

 

自分が失ったものを悲しみ、焦がれるように寄り添うシオンとサンサ。 

それでも、二人の境遇は同等と言えない。

 

シオンはサンサの虐待の重さを知っている。だからサンサは安心できる。

サンサはシオンに加えられた加虐の酷さを知らない。

 

He cut away piece after piece, so there is no Theon left.

ラムジーが少しずつシオンのかけらをナイフで削ぎ落としてしまったので、もうシオンはかけらも残っていない。

 

リーク=シオンが語った告白の実態をサンサは知らない。多分、シオンとラムジー以外は本当のことを知らない。

語れない秘密、重荷はいつまでもしこりのように残る。

 

サンサはラムジーを殺害することで、ある意味決着をつけたが

リーク=シオンにラムジーが殺せただろうか?

 

無理だったろう。

 

サンサは虐待の中もサンサであり続け、ラムジーを憎み続けたが

シオンは過酷な拷問の中で、アイデンティティを失い

ラムジーを愛し崇拝するように調教されてしまった。

 

シオンは内なるラムジー&リークと決着がつけられるのだろうか?

それなしにサンサの傷跡を見たら、きっとリークはまた戻ってくる。

 

シオンの恥、闇は深い。

 

シオンの悔恨も深い。

シオンがリークであり続けたことで、サンサの救出は遅れた。

 

そして、何よりも、ロブを裏切ったこと、彼と一緒にレッド・ウェデイングで死ねなかったこと、罪のない子供たちを殺したことがシオンを苦しめてきた。

 

だから、シオンは

ブランを囮にして"夜の王"をおびき寄せるという決死のミッションを引き受けたのだろう。

 

かつてブランから奪ったウインターフェルでブランを守って死ねる。それがシオンにとって究極の贖罪なのだろう。

 

臆病者のリーク状態から抜け出たシオンは自殺願望のような贖罪にのめりこんでいる。

今のシオンに健全なロマンスは望めない。

 

 

鉄血宰相を侮っちゃいかん

今や、誰もが七王国で最も賢明なリーダーと認めるサンサ。

シオンが少女時代の夢だった"白馬の騎士"として立ち現れたというだけで、のぼせ上がったりするのだろうか?

 

ジョンがデナリスに夢中になり、ブランは"人ならぬ者"、アリアは殺人マシーンに変貌した今、スタークとして北部を束ねていくのは自分しかいないことをサンサは自覚してしる。

 

"北の女主人"として気難しい諸侯をまとめるにあたって、シオンは足枷になりかねない。ブランとリコン殺害疑惑が晴れても、変節者シオンが"若き狼"を裏切り、北に恥辱を与えたことを諸侯は忘れはしない。シオンが長居をすれば、裏切り者の首が要求されるだろう。

 

サンサが再婚する相手は"北部統合"の象徴となるべき人物、"大いなる戦い"で疲弊する北を経済的に救える人物でなければならない。

 

聡明なサンサが、そこに気づいていないわけがない。

 

では、なぜサンサはシオンにだけ心を委ねられるのだろう。

 

「スターク家に贖罪して死にたい」というシオンの切望を、シオン/リークを知るサンサ以上に理解できる者はいない。

 

シオンが生きて翌朝を迎えることは99%あり得ない。だから、シオンの前ではサンサは安心して少女サンサに戻ることができる。

 

生きて朝を迎えたら、最後の脆さも振り捨てて、

サンサは"北の女主人"として戦いを始めるはずだ。

 

 

 

今の二人の関係は恋とは言えない。

それでも、ひどく安らぐ親密さに溢れている。

あらゆる親密な男女関係がロマンチックである必要はない。

多様性を認めて欲しいと願うは、私だけだろうか?

 

 

If you think this has a happy ending, you haven't been paying attention

 

これにハッピーエンドがあると思うなんて、注意力がかけてる証拠だ。

これは、ゲーム・オブ・スローンズ の中でも名高いラムジーの台詞。

 

その言葉どおり、万人に不幸と悲劇が襲いかかる七王国の世界。

 

愛情を持ってくれるサンサと再会した今だから

ブランを守って英雄的に死ぬシオンを期待するファンも多い。

 

シオンだけではない。

第2話で、運命が報いられた人々の死がファンの間で予測されている。

 

 

ブライエニーとジェイミー

 

サーセイの放つ毒に中毒していたジェイミーに

"真の騎士"の名誉と忠誠を教えて中毒から救ったかのような勇者ブライエニー。

 

プラトニックな愛を捧げてきたブライエニーとウィンターフェルで再会し

デナリスの父親、エイリス王殺害で責められ信頼性を疑われる裁きの場で

ブライエニーから名誉ある騎士であると弁護を受け

ブライエニーのために戦いたいと真意を告げ

サーセイを守るために塔から突き落としたブランにも許しに近い言葉をもらったジェイーミーの運命は報いられたと言えるだろう。

 

一方、ブライエニーは

高潔な騎士という理想に最も近い生き方を貫いているにもかかわらず

女性であるために口に出せなかった長年の夢である

騎士への叙任を、ジェイミーから受ける。

その上、"七王国の騎士"という、先祖の"長身のダンカン”に因む命名を受ける。

彼女にとって、考えられる至高の栄誉。

ブライエニーの頑固なまでの正義と忠義さが報われた瞬間に涙した人も多いだろう。

 

運命が報われた二人の死を予想する声は高い。

 

サー・ジョラー・モーモントの帰還

奴隷売買に関わって、エダード・スタークから有罪を言い渡され、故郷から逃げ出したジョラー。

 

その彼が女王デナリスの腹心として"北"に戻り、ウィンターフェルの賓客となり

従兄弟の現当主リアナ・モーモントと顔合わせする。

 

さらに、

父のジョエルがジョン・スノウに遺贈したために失うことにになった家宝の剣"ロング・クロウ"に代えて

サムウェル・ターリーから、ターリー家の剣"ハーツベイン"を贈られる。

 

剣は騎士の魂。さまざまな形で、ジョラーの名誉回復はなされたと言える。

 

そこで、ここが彼の旅の終着点という見方も多い。

 

 

それだけではない。

"Jenny of Oldstones"に登場した、サムとギリー、アリアとジェンドリー、ミサンディとグレイワーム、デナリスとジョン、

どのカップルも一方は亡くなる運命にあるという予測も飛んでいる。

 

 

来週第3話は、ついに"大いなる戦い"の幕が上がる。

誰が亡くな、誰が生き残るのか目が離せない。

 

 


Game of Thrones | Season 8 Episode 3 | Preview (HBO)