エンタメ 千一夜物語

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ジェニーの歌とゲーム・オブ・スローンズの行方 最終章8第2話ネタバレ先読み

 

 ウィンターフェル城の決戦前夜。人生最後となるかもしれない夜を共に過ごそうと、暖炉の周りに集まった人々。騎士ブライエニーの従者ポドリックが歌いだした悲しく、美しい歌に惹かれて、調べてみると

″大いなる戦い″が残す爪痕を暗示するような歌詞、そしてターガリエン家との深い因縁が・・・

 


 

 

″Jenny of Oldstone(ジェニーの歌)″を訳してみた

 

High in the halls of the kings who are gone

今は亡き王たちの広間高く

Jenny would dance with her ghosts

ジェニーは亡霊たちと踊る

The ones she had lost and the ones she had found

すでに失った者たちや再び見出した者たちと

And the ones who had loved her the most

そして、彼女を深く愛した者たちと

 

The ones who'd been gone for so very long

長い昔に失った者たちは

She couldn't remember their names

もう名前も思い出せないけれど

They spun her around on the damp old stones

湿った古い石の上、亡霊たちはジェニーを旋回させ

Spun away all her sorrow and pain

クルクルと、悲しみと痛みを押し流す

And she never wanted to leave, never wanted to leave (repeat)

ジェニーも立ち去りたくはなかった。決して立ち去りたくはなかった(繰り返し)

 

They danced through the day and into the night

夜も昼も踊り続けた

Through the snow that swept through the hall

ひろまを雪が覆い尽くしても

From winter to summer then winter again

冬が過ぎ、夏が来て、また冬になり

Til the walls did crumble and fall

壁が崩れ落ちるまで

And she never wanted to leave, never wanted to leave (repeat)

ジェニーも立ち去りたくはなかった。決して立ち去りたくはなかった(繰り返し) 

 

 

ジェニーとは、誰なのか

 

そして、歌に出てくるジェニーとは・・・

 

廃墟となったオールドストーン城の王たちの子孫と言われるジェニーは

いつも野の花を髪に飾っている不思議な、愛くるしい娘だった。

デナーリス・ターガリエンの祖父ジェハリスの兄である王太子ダンカンは

ジェニーに恋して、リオネル・バラシオンの娘との婚約を破棄してジェニーと結婚する。

この結婚がリオネルの反乱にも繋がり、ダンカンは王位化粧権を放棄する。

 

が、幸福は続かない。

王太子となったジェハリスの息子エイリスに初孫が産まれるのを祝って

 父王のエイゴン5世が一族を集めたサマーホールが原因不明の大火災となり

エイゴンや多くのターガリエンとともにダンカンは死に

ジェハリスが王位を継承することになる。

 

残されたジェニーの嘆きを語ったのがこの″ジェニーの歌″

七王国の南部では大変に愛されているフォークソングとなっている。

 

 

ジェニーの歌をウィンターフェルに被せると・・・

″今は亡き王たちの広間″は、スターク家の地下墓所を思わせる。

 

地上では、さまざまな別れを経験した人々が再び出会い寄り添っている。

 

″再び見出した者たち″とは

ブライエニーにはジェイミーであり

アリアには兄姉弟でありジェンドリーでもある

サンサにとっても家族でありシオンである

サー・ジョラにとっても二度と会えないと思っていた家族

 

デナリスにとっては

サー・ジョラであり

カール・ドロゴの死で亡くしてしまった愛かもしれない

 

″名前を思い出せない″という件は

″誰でもないもの″になろうとしていたアリアであり

リークになってしまったシオンであろう。

 

だが、再会の喜びも束の間

″夜の王″の軍勢襲来で

ウィンターフェルは灰塵に帰そうとしている。

 

ジェニーのように残されたものが

亡き人々を悼み、幸福な時を取り戻そうとする

″ジェニーの歌″は、それを予見する歌とも思える。

 

ジェニーの歌とレイガー・ターガリエンの因縁

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サマーホールの大惨事の最中に生まれたのがエイリスの息子であり

先の王太子でデナーリスの兄、レイガー・ターガリエンである。

 

予言の言葉には

″星が血を流し闇が集うとき、煙と塩の中から「約された王子」が生まれる"とある。

 

阿鼻叫喚の大火事の中で生まれたレイガーは、自分が「約された王子」と信じ

″ジェニーの歌″も彼の作と伝えられている。

 

後に自分の息子が「約された王子」と確信して

ダンカンと同様に、政略ではなく″真の愛″に導かれたリアナと結婚をし

ジョン=エイゴン・ターガリエンが生まれる。

 

 

ジェニーの歌をジョン・スノウの文脈に沿って読む

 

そこで、sheをheに代えてジョン・スノウの物語と合わせると・・・

 

"あまりに長いあいだ失ったいたので名前も思い出せないけれども

見出したものたち"とは

ジョンの父母、レイガーとリアナということになるだろう。

 

産褥で亡くなろうとしている母親を赤ん坊が覚えていられるわけもない。

 

だが、見出された両親とターガリエン王家を継ぐべき嫡子であるという事実は

恋人デナリスの女王としての地位を危うくし

二人の間にできた亀裂は二人をキリキリ舞いさせる。

少なくとも、"夜の王"の軍勢襲来までは・・・

 

と、この歌の意味は、生き生きと蘇ってくる。

 

二人の亀裂は埋まるのだろうか?

 

去ることを惜しんでいるのは誰だろう?

ジョンはデナリスは、"大いなる戦い"を生き抜けずに、残った者を悲しみの淵にしずめるのか

 

それとも、ダンカンのように王座を放棄することでジョンはデナリスと結ばれるのか?

 

 

泣いても笑っても、放送は4回を残すのみのゲーム・オブ・スローンズ

第3話放送まで、あと1日。

 

心して運命の日をむかえたいかと・・・

 

 

 

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