人気低迷していたシーズン9のプレミアからさらに34%の視聴率減という、最低視聴率を更新してしまった『ウォーキング・デッド』のシーズンプレミア。
そろそろ打ち切りになってしまうのか?その根深いダメ度を探ってみました。
シーズン7から始まった下り坂
視聴者の気持ちと番組が離れ始めたのって、やっぱりシーズン7かと。ハンサムで心優しいグレン・リーと粗暴な漢っぽさの中に面白みがあった巨漢のエイブラハム・フォードっていう二人の愛されキャラを残虐に殺しちゃった当たりからじゃないでしょうか?
グレンの惨死はコミックスから予測されはしたんですけど、ショッキングということのほかには意味づけが薄かったですねえ。
というのも、ニーガンの迫力がウスかったんです。
比較的に無名のキャストが多い『ウォーキング・デッド』。なんですが、ニーガン役のジェフリー・ディーン・モーガンは、やっぱり『スーパーナチュラル』ウィンチェスター兄弟の父ちゃんなんですわ。チョコっと、いい人オーラが残ってたりします。
だから、残虐ジョークとかカマしても、不気味っていうより、フザけたオヤジ感でダレるんですね。
もし、ニーガン役に『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』に出てくるギャレット・ディラハントみたいな 得体の知れない演技力があったとしたら・・・
これ、メチャクチャ怖いですわ。キャスティングミスっていうか、ジェフリーは『ウォーキング・デッド』最大の人気者ダリル・ディクソン役ノーマン・リーダスのダチなんで、馴れ合い感見え見えでつまらないですわ。
で、グレンの残された妻マギーのキャラがどう変化するかが見所だったのに、ローレン・コーハンが途中降板しちゃったので、それも中途半端で、グレン無駄死にって感じです。
アーロンはリックの不在を埋められるのか?
『ウォーキング・デッド』って、基本的に正義感が強くい元保安官のリック・グリムズが家族を守るために無理やり奮闘する話でありました。
リック役のアンドリュー・リンカーンは、名優ではないけれど有能な俳優で、主人公リックの微妙に揺れる道義心などを細やかに表現してくれるので、オモロかったです。
妻を失ってもその不倫の子供を抱えて最大限に人間らしくあろうとしていた。
ところが、生きる希望だった一人息子のカールを失ってという原作から外れた設定になってきたところで、アンドリュー・リンカーンが降板してしまった。
戦争だったら、戦力半減状態です。
リックの相方、ミショーン役のダナイ・グリラ。メチャカッコいいんですけど、一本調子ですわね。一人で番組を引っ張るのは辛い。
っていうことで、リックの後釜が必要になるわけですが、コミックスのリックは片腕になってますね。で、このキャラ作りがアーロンに回ってきたわけです。
アーロン役のロス・マーカンドも力のある役者ですが、ずっと背景キャラだった!急に正面にでてきても、視聴者は戸惑いいます。
この辺の流れ、下手すぎです。
LGキャラを犠牲にする番組体制
っていうか、LGキャラを背景に押しやるのが、『ウォーキング・デッド』長年の悪いクセです。
例えば、Lキャラのタラ。恋人役は皆あっけなく殺されてしまいました。Lキャラ必須の米ドラにしては、本当に弱腰です。
アーロンのキャラ成長を妨げたのも、この押しやりですね。
恋人エリックとの熱い接吻シーンで初登場した彼ですが、このシーンに対するアメリカのお茶の間の反感が強く、二人はしっかりと底辺に押しやられてしまいました。
一番腹立たしいのは、ジーザスの扱いですね。コミックのジーザスはニーガンを武力制圧できるような大男の武術家ですが、チビのトム・ペインが抜擢されたのは驚きでした。
原作には出てこないダリル・ディクソンの存在が大きくなりすぎて、リックとダリルのショーになっていった『ウォーキング・デッド』。兄貴分は必要ないってことで、いかにも弟分なトム・ペインが選ばれたんだろうと解釈してましたが・・・
ジーザスが弟分になったことで、原作の売り物だったジーザスの格闘シーンがなくなってしまった!
トム・ペインが役者としてヘタレなのは認めます。だったら、もっといい役者使ってよ!!!!
もう、飼い殺し状態だったジーザス。原作に描かれたアーロンとのロマンスも、超押し込め状態で・・・へっぽこペインが文句タレになるのも分かります。
ところで、番組からカットされたトム・ペイン主役の新番組『プロディガル・サン』は、ハンニバルvsクラリス・スターリング(もしくはウィル・グラハム)を父と息子に置き換えたってな感じで興味深く、プレミアも絶好調なのでウレシク、してやったり感があります。
今残っているLカップルのユミコとマグナ、相手役が全部消えて前面にでてきたアーロン、どうなるんでしょう?
今までどおり腰抜け状態なLG描写が続いたら、本当に呆れはてますよ。アタシは!
ノーマン・リーダスに主役が務まるのか?
『ウォーキング・デッド』最人気キャラのダリル・ディクソンを演じているノーマン・リーダス。最初の頃はカッコ良かったです。
口の悪いレッド・ネック(貧しい南部の白人)なのに、モデル歩きのミスマッチ感。オモロかったです。
でも、回が進むごとに、寡黙な善人に変化してしまいアレアレ~~でした。キャラ成長も、リックとのケミストリーは最強なんだけど、女優さんとはイマイチ。LGキャラと和んでいくかと思うとその発展もなく。とかしているうちに女性ファンに人気が出すぎて動きが取れなくなり、当人が乗り気だったベスとのロマンスも不発に終わり、ジーザスといい感じになるのかと思ったら、それもなく・・・
お隣のアウトサイダーみたいな、微妙なポジションを保ち続け・・・
ってか、ノーマン・リーダスって、表情のパターンが少ない上に、最近はオヤジ顔になってしまい。芝居が下手クソなのが目立ちすぎです。
女性ファンの支持が高いキャロルとのロマンスが発展しそうなシーズンプレミアでしたが、中防の初恋みたいな二人のシーンは、キャロル役のメリッサ・マクブライドがほぼ冷笑気味で(気持ちは分かるけど)、つらいものがありました。
ノーマン・リーダスは、端っこキャラだから魅力が出る。ここ、間違えたらアカンですよ。
サマンサ・モートンがアタシの希望の光です
と、マイナス材料満載の『ウォーキング・デッド』。
不気味なまでに迫力があり、さらに母親としての陰影も表現できるアルファだけが、楽しみなキャラです!
やっぱり、アルファ役のサマンサ・モートン、役者として段違いです。アカデミー賞に何度もノミネートされ、テレビ映画『Longford』でゴールデングローブ賞助演女優賞も獲得している名女優。
最近では『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の狂信的で児童虐待な鬼継母メアリー・ルー・ベアボーン役で、背筋がゾクゾクするような迫力を魅せてくれました。
アルファ役でも怪演して番組を引っ張ってくれる期待大!
とはいえ、サマンサ・モートンに対抗できる存在が出てこなければ、やっぱり暗い『ウォーキング・デッド』の未来。
どうなるのか、行く末を見守りますかと~~~。